今回は、FANATECのClub Sport Wheel V2.5を末永く使用していく為、ベース後部のカバーを取り外し、単純なメンテナンスも兼ねてホイールベースをクリーンアップしてみましたので、その工程や使用するツール、注意点などもざっくりではあるのですが、ご紹介していこうかと思います。
クリーンアップを検討されている方は是非この記事をご活用してみて下さい。
CSW V2.5は、CSL DDの発売もあり、既にファナテック公式サイトからは入手不可のようです。
実はクリーンアップを施す前にCSL DDの購入も検討していましたが、2歳にもなっていないこの子を見捨てることができず、今回購入を見送った次第です。
実際にダイレクトドライブといったものも味わってみたいのですが、現状のCSW V2.5から感じ取れるステアリングフィールに充分満足しており、それ程の違いは体感できないのではと少なからず感じている部分もあり筆者はもうしばらく様子を見ることにします。
ですが、CSL DDは構造がシンプルな分メンテナンス難易度や耐久性はCSW V2.5を遥かに上回っていると思うのであります。
今後ハンドルコントローラーの買い替えや、新たに購入する方であれば間違いなく今回破格の値段で発売されたCSL DDは間違いなく買いでしょう。
ダイレクトドライブの魅力はほとんどメンテナンスフリーで使い続けられる事です。
(ここ重要ポイント!)
※尚、ここでご紹介する内容は、保障期間のないベースを対象としていますので、保障の残っているベースは、分解をしてしまうと保障対象外となってしまいます。
※分解は自己責任でお願い申し上げます。
これから解説していく過程で、ベース本体の後部カバーを外していくわけですが、注意点としては、カバーを外した後の配線の取り扱いと、カバーを元に戻すときに六角ボルトの上に乗っている(下部画像参照)薄っぺらい配線には注意してください。
結構絶妙な位置にあるので、特にカバーを元に戻す時には注意が必要です。
極力素手で触れない方がいいでしょう。
それでは今回実施した工程を、少しでもわかりやすくご説明していこう。
まず最初に今回使用したツールから見ていきましょう。
六角レンチ3mmと、2.5mmが各1本と、特殊工具のヘックスローブビットT8サイズ1本になります。
ファナテックさん、特殊工具使わないでよと叫びたくなりますが、この辺りは安易に分解などできないような配慮が施されているのかなーと考えればまあ納得できます。
この他に、後ほどの画像にも出てきますが、エアブロワーツールや、靴磨きに使用するようなブラシと、比較的毛先の柔らかい筆なども使用しました。
歯ブラシなども準備しておくと、尚良いかと思います。
準備が整ったら、実際にベース本体裏のカバーを取り外していきます。
ベースを痛めないよう、座布団の上やクッションになるような所にベース本体を置き、ボルトを緩めていきます。
下記画像の上部2つの穴に六角レンチ2.5mmを使用します。
次にヘックスボルトを緩めていきます。こちらはベース本体を傾けながら作業しないと緩めずらいと思うので、くれぐれも慎重に作業してボルトを緩めていきましょう。
下記画像の下部2本のボルトが特殊ボルトになります。
4本のボルトを全て緩め終えたら、内部の基盤と排気ファンの配線が繋がっているので、静かに少しずつカバーを後ろに引きます。意外と線に余裕がないので慎重に作業して下さい。
下部画像はカバーを後ろに引きカバーを外した直後になります。
この時、緩めた六角ボルトをカバーから取り除いていなければ、落下しやすいので紛失しないよう速やかに別の場所へ保管しておきましょう。
基盤から排気ファンのコネクターを抜きます。
次に、ベース上部の湾曲した透明なプラ板を嵌っている溝に沿ってまっすぐスライドさせ、引き抜きます。
必ず両側を引っ張るように少しずつ引き抜きます。
僅かな張力の差でも引き抜くのに苦労する事と思います。
分解直後は、細かな粉塵や、埃がひどくこんな感じでした。結構汚い方。
至る所にゴミや埃のようなものが付着しているのが画像からお解かり頂けるかと思います。
ここからは、こいつのお出番でしょう(強力エアブロワーツール)で粉塵などを思いっきり吹き飛ばしていきます。
粉塵さんサヨナラー。
ついでに凝固ぎみのグリスや吹き飛ばなかった埃などを、ティッシュや綿棒などを利用してきれいに処理していきます。
部屋中に埃が飛散するので充分に喚起する事と掃除機を準備しておく事をお勧めします。
先程上で掲載した画像とは随分違った印象になったのではないでしょうか?
今回は、グリースを新たに補充する事は控えました。本来ならこの時点で古くなったグリースを全て除去し、新しいグリースを塗布しておいた方がより高いメンテナンス効果や、クリーンアップ効果が期待できる筈です。
入れ替えに使用するグリースの選択も悩ましいところですが、おそらくは鉱物系が基油のリチウム系ベアリンググリースかシャーシグリースを選択しておけば間違いないのではと考えています。
但し、その際には全入れ替えが条件になってきますが、グリースの全入れ替えは、全バラでもしない限り無理なので、できる限り古いグリースを除去しましょう。
成分の異なったグリースを混ぜてしまっては著しく潤滑性能が低下するようです。
ベアリングも数ヶ所使用されていますが、グリスアップできるような注入口は見受けられませんでした。
という事は、ベアリング部は表面からスプレー式のグリースを薄く塗布し、内部に浸透させればいいのでは?
この辺りは筆者も答えられませんので、機械部品に詳しい方にお知恵をお借りするのもひとつの手段ではないでしょうか?
スプレー式潤滑剤を使用する際に、細心の注意を払って欲しい事は、内部の基盤に液体が飛散しないように常に意識しながら使用するようにする事です。
スプレーしすぎも禁物です。ですのでティッシュなどに潤滑油を含ませたら、薄くベアリング表面に塗布するイメージで良いかと思います。
モーターを包み込んでいるヒートシンクも結構きれいになりました。
それにしてもデカイ! 熱ダレしにくいのも納得
次に、ベースサイドに設けられているフィン状吸気口の清掃です。
このような所は、画像のようなブラシや筆などを使用して清掃します。
歯ブラシや細めの綿棒なども準備しておくと尚良いかもしれません。
清掃する順序としては、グリースの全入れ替えを検討しているのであれば、その前に清掃しておくべきでしょう。
クリーンアップとは直接関係ありませんが、シャフトに固定されているプーリーのイモネジを分解したついでに緩んでないか確認しつつ、カッチリと締めてあげます。
画像上部が六角3mmサイズのレンチで、そこからプーリーを180度回転させた位置にある画像下部が六角2.5mmのレンチになります。
緩んでいなければそのまま締めつければいいのですが、もし仮にフォースフィードバックの振動などで緩んでいたのならば少々厄介です。
若干の調整が必要になってくるでしょう。
最後にプーリー画像を掲載しておきます。CSW V2.5に使用されているプーリーは溝が彫られているタイプのプーリーで、プーリーに抱かせ込むベルトも同様に溝が掘られています。
この機構により、寸分の狂いも生じず、ベルトも蛇行せずにプーリーシャフトが回転できるって事ですね。
ですので、先程のイモネジ部が緩んでいると、ベルトが思いも寄らぬ方向へと蛇行しようとする力が作用して軸ブレが発生してしまいます。
最終的には、自力での調整不可能というケースも少なからず考えられますので、定期的にそういった細かな部分も確認していく事をお勧めしたいです。
最後に排気ファンコネクターの接続とカバーを元に戻して、4本のボルトを締め込めば今回のクリーンアップは完了になります。
ボルトを締め込むときに注意して頂きたいのは、必要以上の力で締め込まないようにして下さい。
ネジが馬鹿になってしまいます。必要であれば再度ねじロック剤等を塗布しましょう。
以上で今回のCSW V2.5のクリーンアップ手順の解説は終了です。お疲れ様でした。
意外と地味な作業の連続ですが、手間を惜しまず作業していく事で、確実にベース本体を良い状態まま保持する事が可能なので、興味がある方は記事を参考に是非挑戦してみて下さい。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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