レーシングコックピットの重要性 既製品SUSアルミ材でコックピット製作にチャレンジ

コクピットアイキャッチ001 DRAPOJI

コックピット製作を決断した本来の真相

今回はSUSアルミ材を使ってコックピットを製作してみましたので製作時の過程や、組む時のポイントなども記事にしておりますので今後コックピットの製作を検討されている方は、この記事を参考にして活用して頂ければ嬉しいです。何故今回コクピット製作の決断を踏み切った理由ですが、筆者は長年かなり頑丈な金属性の骨組で出来ているPCディスクに穴を開けベース本体やペダルを設置してレーシングシムを楽しんでおりました

シートはもちろん一般的なPCチェアです。椅子の足の下にゴム素材を置いて滑らないようにしていました。このような環境でも普通にプレイする分には特に不満もなかったのですが、筆者は実は喫煙者でしてレーシングシムをプレイしながら休憩の合間にネットを見たり、記事を書いたりしていたのですが、その場所でどうしても喫煙してしまうのであります。しかも電子タバコではなく紙タバコです。そうすると当たり前ですがレーシング機材も自ずと灰やヤニで汚れてくるので長年嫌だなー、なんとかしなきゃなーという想いが心の片隅に常時ありました

そんな頃、昔からの知り合いが我が家を偶然訪ねてきたのですが、何やらもうひとつのお家のお方付けをやってる最中だったらしく、お話している途中に思わぬ言葉が出てきたのであります。私がさりげなく方付け大変なのと尋ねると、昔購入したレカロシートなんかもあって、大きいし場所とるし邪魔で捨てるに捨てられず困ってると言うのです。じゃー譲ってよと冗談半分で言ったつもりだったのですが、後日写メ送るから見てから検討してと言われ、写メを送って頂きました。物は古そうですがフルバケットではなくリクライニングが可能なセミバケットで(実はセミバケットの方を以前から欲しかった)充分満足できそうな感じだったので、お言葉に甘えて譲って頂く事になったのです

その後約一ヶ月間位は我が家に放置状態となり、設置しないでいるとやはり大きくて場所も取るのです。快く譲って頂いた方へのお気持ちも察して、早く譲ってもらったRECAROシートをなんとかしなければという想いが日々増してくるのでした。色々と構想を練りながら時間だけが無惨にも過ぎ去っていくのですが、コックピットを製作するにあたり、まず最初に選択しなければならないのがコックピットの素材選びだと思います

筆者の場合ですと悩み迷った挙句、最終的には長谷川工業さんから発売されているドラポジというものをベースにしました。最初は少しでも安く済ます為に、あらゆるホームセンターなども駆け巡りましたが自分の求める材料には結局たどり着けずドラポジを選択したわけです

現在ではベースやペダルプレートなども付属するドラポジ2(改?)なんていう製品も発売されています。他にもL型アングルに等間隔で穴が開けられているマルチ鋼材や、ベンチプレスのようなトレーニング機器を、なんとか改造してコックピットにできないか?なども考えましたが、筋トレユーザーさんの方から反感を買いそうな事や、改造するツール類や技術を持ち合わせていなければ素直に既製品を購入した方が、労力やコスト面でも遥かに安く済むだろうなと安易に想像できました

その他にもコックピットは既製品を購入したとしても譲って頂いたシートはうまく設置できるだろうかとか、思い切ってシート付を購入してしまおうかなども考えましたが、それでは譲って頂いたシートが無駄になってしまいますし、譲ってもらった方にも申し訳ないですし失礼です

実際に購入した内容物

実際に購入した内容物の製品番号のような文字列を下記に掲載しておきます。ハセガワセレクトというサイトからの購入になります

KP-BM BK ベースモデル ドラポジブラックエディション

KP-DMS BK ディスプレイマウントシステム ドラポジブラックエディション

KP-PM アジャスタブルペダルマウントシステム ドラポジシルバーエディション

尚、購入当時は既にプレートが付属したモデルもラインナップされてましたがあえて古いモデルを選択しました。(安かったので^-^)

ペダルを水平に設置してプレイするのであればアジャスタブルペダルマウントシステムは必要ないでしょう。又ペダル側に角度調整機能があるのであれば水平に設置した後にペダル側の角度を調整すればいい事になります。私の場合はペダル側に角度調整機能が存在しているのですが、ペダルを設置する高さもある程度調整したかったので購入したまでです

次にディスプレイマウントシステムですが、当初はコックピットと切り離して机の上にディスプレイとスピーカーを設置してプレイした方がディスプレイの振動対策にもなりますし高さや角度が幅広く調整できて良いのではないかとも思っていたのですが、既に購入してしまっている事と地震の多い日本ではコックピットと一体型になっていた方が机の上に置くよりはディスプレイの転倒対策にもなるのではないかと考え直し、安定している方を選択しました。少し位大きな揺れがきても転倒しなそうなディスプレイだけをマウントするキャスター付のディスプレイスタンドを購入できるのであればそちらをお勧めします。尚、その場合はディスプレイの距離や高さを自在に調整できるようにコックピットの幅や高さよりも大きいサイズの物を選択するべきです。イメージとしてはコックピットの幅や高さを、自由にまたいでスライドできるようなイメージしょうか

RECAROシートのご紹介

妻の後姿が写ってしまいました(^-^)シートを濡れたタオルや除菌スプレーなどで出来る限りきれいにしていきます

レカロ

レカロ底

レカロレール

シートレールアングルとL型アングルをコクピットに設置する為に連結します

L型アングルはシートレールに適合できそうな2穴タイプの物がネットを探しても見受けられずホームセンターで別途購入しました。3mm厚のアルミ素材で強度的に不安を抱えたまま妥協して購入しましたが今の所全く問題なさそうです

シートレールアングルの2つの穴の中心から中心までの距離が約15mm程しかなくナットとナットの間隔がほぼなくなるのでどちらかを先に締め込んでから、もう一方を締め込む作業になります

レカロジョイント部

レカロジョイント部01

コックピットの組み立て作業開始

さてここからは、いよいよコックピットの組み立て作業に取り掛かっていきます。内心ワクワク感を感じつつ作業していくのですが、何も考えずに組み立てるだけならそれ程時間もかからないと思います。筆者の場合ですと仕事から帰宅してからの作業や、休日なども合わせると軽く三日以上はかかったのではないでしょうか。それ程位置決めに時間を持ってかれるのでした

位置調整込みで10時間位で作業できてしまう方は私からすると余程の怪物君です(^-^)

※尚、この記事を参考に作業される場合は作業前の注意点として、怪我には充分注意するようにして作業するよう心がけて下さい

SUS材の端部はかなり鋭利になっており、少し触れただけでもその鋭利さが伝わってくる程ですので絶対に怪我などしないよう靴を履いて作業し、必ず皮の切創防止手袋も装着して作業に取り掛かかるようにして下さい

コクピット01

トレーニング機器などの下に敷くマットをアマゾンで購入。5000円しなかったと思います

最初は購入したマットの上で組み立てていましたがマットに若干の弾力性がありコックピットに僅かな歪みが生じてしまいそうだったので、マットを取り除いた後に、組んだボルトを全て緩めて途中からは平らな床の上でのみ組み立て作業をしています

ペダル01

ペダル02

ペダル03

ペダル04

アジャスタブルペダル
コックピットの歪みを直すためコックピットをマットの上からスライドさせたついでにパシャっと一枚。冒頭でも少し触れましたが画像に少しだけ見えている様なディスクを準備すれば、地震時にはヤバイかもしれませんがディスプレイマウントシステムは必要なくなってきます

ペダルは真横から見た時に垂直より若干後ろに寝かせぎみにしてみました

コクピット中間状況

アジャスタブルペダルマウントシステムの疑問

アジャスタブルペダルマウントシステムは3つのペダルの角度を簡単に変更できて大変良いのですが、少々の疑問点や問題点もございます

もしかするとsim pedals sprintが対応してないだけかもしれませんが、取説を見た限りではそんな事はないようにも思えてしまいます

取説ではG29とT300RSの場合の取り付け方が記載されているのですが、画像の様に40mm角のSUS材にL型アングルをG29の場合は3つでT300RSの場合は2つを並列に並べてペダルを固定する仕組みになっていますが、アクセルやブレーキペダルを踏んだ時にペダルに乗せている踵側が浮き上がってしまうのです。これではカッチリペダルが固定されている感覚が味わえませんし、かなりの不満も残ってしまいます

どのように対策したかと言うと画像2枚目と3枚目画像をご覧ください。尚、ペダルを設置する高さにもよりますが40mm角材を取説通り設置すればペダルの沈み込みは回避できるものと思います

ペダルマウント問題点

ペダル浮き対策

踵沈み込み防止

上記画像の2枚目にあるL型アングルは踵部分の浮き上がり防止のため両サイドに設置したもので反対側もこのようになっています

これで全く浮く事はなくなったのですが、踵側に荷重をかけて足を乗せてみると踵側が今度は沈み込んでしまうのです。取説では上記画像2枚目に写っている、40mm角材はもっと右側の位置でペダルの青く見える部分の下に位置しなければならないのですが(ペダルが沈まないよう)浮き上がり対策の為、敢えてこのような位置にしています。沈み込み対策としてどのような対策をしたかと言うと、上記画像2枚目に見えるようなスペーサーを噛ませました。それでも高さが足りなかったので家の中を漁り、適当な厚さの物を見つけて両面テープを貼り挟み込むように固定しています

3枚目画像はスペーサーを設置した後の正面から見た画像になります。こういった問題を完全に払拭するには上記画像2枚目に写ってるような40mm角材をあと3本位準備する必要があるのではないでしょうか?何を言いたいのかと申しますと両側に支柱を立てて水平にクロスさせた40mm角材の高さを自在にコントロール出来るようにしペダルの下に設置して沈み込みを防止するって感じでしょうか。今回は外観から見えない所の対策だったので急遽このような形を選択してしまいましたが、もう少し考えればもっと良い方法があるかもしれませんので、その時は別記事でご紹介したいと思います。上記画像を下から数えて4枚目の画像に写っているディスクがあるせいでペダルの調整は至難の業です。少しペダルを調整するだけでも狭い所に身体を潜り込ませなければならず汗だくもんです。(泣!)

ディスプレイマウントシステム

金属プレート

次にディスプレイマウントシステムですが、またもや、頭を悩ます壁が待ち構えていたのです。トホホ・・・。ディスプレイマウントシステムにはディスプレイを固定する為Ω(隣の文字の楕円部が四角)になっている形の金属プレートが付属してくるのですが、いざディスプレイをスタンドから取り外し合わせてみると・・・合わない?ん?本来はディスプレイ側に型取られている窪んだ部分に金属プレートがぴったり収まる筈なのですが、金属プレートの方が若干大きいのです。幅で言うと縦横3~4mm程大きい。固定用に4×10mmのビスが4本付属していますが、これでは窪んでいる部分の長さを補えないため短いのです。金属プレートをこのまま使用するのであれば、4×20mm位のビスを4本準備しなければなりません

どうするか悩んだ挙句やはりディスプレイの安定性を考えてプレートを削り込みました。たまたまグラインダーを所持していたので少し削っては鉄ヤスリでゴリゴリって感じです。合わせてみて固定できるかこの時点で確認しておきます。慌しく作業していたので写真を取り損ねてしまった部分も多いですが、ここから先はいよいよコクピットにディスプレイを設置していきます

コックピットへディスプレイを設置する

さあここからはコックピットへ早速ディスプレイを固定していきます。全てを一人で作業する為、最初からここが最大難関場所と踏んでいたのですが、冷静に良く考えて対処する事で、それ程の苦労もなく設置することに成功したのです。3枚目の画像をご覧下さい

ディスプレイを固定する支柱をいっぱいまで後ろ(向かって左側へ)と画像内では表現しましたが、要は1.2枚目のL型アングルとディスプレイ固定用の支柱の間にディスプレイが垂直よりやや後ろ側に寝かせ気味に置ければいいのです。ディスプレイに傷をつけてしまわぬよう、この間に毛布のようなものを挟み込んでから静かにディスプレイをこの間に配置します。ディスプレイを固定する支柱に40mm角のSUS材をクロスさせるのですが、このSUS材に前章で解説した削った金属プレートが固定されます。(下記画像3枚目参照)

次に右利きなら左手でディスプレイを手前に起こして40mm角材の高さを微調整しながら、ディスプレイ側の穴と金属プレートの穴の位置をこの時点でだいたい合わせておき、ビスを一箇所だけでも締め込みます。締め込めだら左手も離せるのですが、ここではまだ離さず最低2箇所は締め込んでから離した方がより確実です

ここまで出来れば、もう前に倒れる心配はないので残り2本を両手を使ってビス締めすれば完了です

ディスプレイストッパー

支柱位置01

支柱クロスバー01

とりあえずコックピットはこんな感じに落ち着きましたが、プレイしてみるとシートの高さがやはり足りないのです

実はこうなるだろうなーと最初から想定していて、コクピットの購入と同時位にシートを嵩上げするSUS材(40×80×500mm)をモノタロウで注文していたのですが、在庫がなく間に合わなかったので、嵩上げなしで仮組した感じです

SUS材が到着するまでの間はレカロシートの上に3Dクッションをおいてプレイしていました。(画像2枚目参照)嵩上げの為のTナットをあらかじめSUS材に組み込んでいたので、取り付けたシートを外すだけで購入したSUS材を組み込む事が可能になります。(画像3枚目参照)3枚目画像は片側だけを写したものなのでTナットは4つしか見えませんが実際には一本のSUS材に4つ必要で、合計8個必要になります

コクピットシート調整前

コクピットシート調整前02

コクピットTナット

コクピットシート調整後SUS

SUS材でシートを嵩上げするブラケット選びの注意点

シート位置を上げる為にDブラケットも8個購入していたのですが、荷重がかかる部位と思い直し途中でハードブラケットを追加で8個注文

しかし失敗でした。SUS材の高さを上げる事は可能なのですがコクピットの幅が狭く、もう一方の穴の位置が合わないのです。コックピットの幅があと数センチ広ければ良かったのですが、もうどうにもなりません。仕方なくハードブラケットを使用するのを諦めて最初に購入したDブラケットを使用する事にしたのですが、ここでも又問題がありました。筆者が購入していたブラケットは、回転防止機能付の物でブラケットに凸があり購入したSUS材側には溝に対してブラケットを画像のようにクロスさせた状態では取る付け不可能だったのです。(トホホ!泣き)写真を撮り損ねましたが、結局1時間位時間をかけてグラインダーで凸を削り込みました。これにてギリギリで嵩上げ材をコックピットに設置する事が出来たのでした

コクピットハードブラケット

まとめ

今回は筆者のコックピット製作過程などを長々とご紹介してきましたが、実は友人が我が家に訪ねて来るまではコックピットの事はあまり深く考えた事はありませんでした。しかし組み立てが完了し、全ての位置調整を終えたコックピットで実際プレイしてみると全く違うカッチリとした感覚と、ドライビングを味わう事が出来たのです。何故もっと早く検討していなかったのかと後悔しています

筆者の場合はある程度の強度を持ったPCディスクがあったからだと思いますが、肘の角度や視線位置、全体のドライビングポジションがプレイしていく段階で大きくタイムに影響してくるのです。やはり常時同じポジションでプレイする事が大切なんだなーと今回改めて痛感しました

そこでSUSコクピットに興味があり購入を検討しているのであれば最初は筆者と同じドラポジのような既製品が良いのかもしれません

もし全てを自作する事を検討しているのならSUS材のみの選定は意外と簡単かもしれないのですが、組み立ての際に必要になってくるボルト類や、(長さやmm数)ブラケット類の選定難易度が以外にも高いのかなーと実際に今回組み立てていて感じました

実際に筆者はシートの嵩上げ材料の購入だけでも失敗しております。おそらく数千円は無駄にしたのではないでしょうか

一度でもSUS材で何かを組み立てた事がある方であれば購入の際の選定に迷う事は少なそうですが、そうでない場合は、購入の際に商品の説明文を熟読し、しっかり理解する必要がありそうです

くれぐれも全て自作する場合はパーツを購入する際に筆者のように無駄な出費を出さないよう慎重に選定して下さいませ

※尚、冒頭でも触れた事なのでしつこい気もしますが、パーツを切削する際に筆者はグラインダー類を使用しております。もしちょっとした調整や改造が必要で、このようなツール類を使用される場合は極めて危険ですので慎重に作業するようにして下さい

お疲れ様でした。以上になります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました

次回もお楽しみに・・・それでは次回までサヨナラです

コメント

タイトルとURLをコピーしました